外国人患者が急増し英語力が必要に

急増する外国人患者

急増する外国人患者

多くの外国人観光客が病院を受診している

観光庁の調査によると外国人観光客が訪日の際に治療や健診で病院を訪れた人は外国人観光客全体の約2割近くを占めていることが分かりました。外国人観光客が前年よりも大幅にアップした2015年は病院を受診した人の数も1.18%から1.4%へと急増しています。数字だけをみるとそれほど多いようには感じないかもしれませんが、外国人観光客全体の割合からいえば、決して低い数字ではありません。むしろ横ばいから上昇に向かっているといえるでしょう。また、今回の旅行に限らず、次回の旅行でも治療や健診で病院を受診したいと答えた人は3.88%でした。このことからも、今後も訪日外国人観光客の病院受診は増加していくと考えられます。

受け入れる病院側の課題

この結果を受けて、日本政府は2016年に高品質な日本式医療サービスや技術を国際的に展開する「医療のインバウンド」に取り組むことを発表しました。これは病院などの医療機関には大きなビジネスチャンスとなりますが、外国人患者を受け入れるにあたって、言葉や宗教・文化の違い、といった課題もあります。

適切な診療には言葉でのコミュニケーションが欠かせない

外国人患者を受け入れているほとんどの病院で課題として挙げているのが、「言語・会話」や「医療通訳の提供体制」「治療費の不払い」です。適切に診察・治療するためには言葉によるコミュニケーションが欠かせません。意思の疎通ができなければ見当違いの治療をしてしまう可能性があるからです。「言語・会話」の不十分さは死活問題といえるでしょう。英語を話せる職員がいなければ医療通訳者を新たに雇用しなければならず、その分経費もかかるため、「医療通訳の提供体制」の不備も大きな課題となっています。

基本的には英語でOK

日本には様々な国から観光客が訪れています。その中でもアジア圏の特に中国や韓国などが多く、全体の6割近くを占めています。それに、ロシアやアメリカなどが続いていくわけですが、アジア圏の人が多いからといって中国語や韓国語、ロシア語が必須なわけではありません。
TOEICの平均スコアをみると、中国人が716点、韓国人が632点、ロシア人が683点、と512点の日本よりも高いため、英語でも十分に通用します。日常生活や限られた範囲内での業務に支障がないレベルでの会話が可能なのは、TOEICだと470点以上です。そのため、外国人患者を受け入れている病院のスタッフは、最低でもTOEICを470点以上取得しておくことが望ましいとされています。

看護師にも英語力が求められている

  • 英語力が活かせる職場で働きたい!
    外国人を積極的に受け入れている病院

    英語力が活かせる職場で働きたいなら、外国人患者が多く訪れる病院に転職することをおすすめします。空港のクリニックやインターナショナルクリニック、外国人患者受入れ医療機関認証制度の認証を受けている病院などを中心に探していくといいでしょう。

  • 英語力を向上させるには
    ステップ1:まずは基礎力を身につける

    正しい発音の仕方が学べるCDや英語のフレーズ集に付属しているCDを利用すると語彙力を増やしながら英語に慣れることができます。ですが、勉強はアウトプットも大切です。英会話サークルなどで積極的に会話するようにしましょう。

  • グローバル化が進んでいる
    急増する外国人患者

    日本には多くの外国人観光客が訪れていますが、特に中国や韓国などのアジア圏が多く全体の6割を占めています。ですが、アジア圏の人が多いからといって中国語や韓国語が必須なわけではありません、基本的には英語でやり取りしていきます。